『彼女が好きなものは』想いを馳せて

もう2ヶ月ほど前になりますが映画、観てきました。鑑賞後、ほんとに色んなことが頭を駆け巡っていて、下書きだけ存在していたけどうまくまとめられず。

そのままになっており、今日見て、やっぱりいい映画だなぁとあらためて思ったので投稿しようと思いました。


『彼女が好きなものは』

なぜわたしがこの映画を観ようと思ったのか。

わたしの好きな林遣都さんが、著名人のコメントを載せていて惹かれたからです。


なんて優しく美しいラストなんだろうと胸が締め付けられました。

この映画に携わった全ての方々に拍手を送りたいです。

素晴らしい映画でした。人が人を傷つけることが容易い世の中で、思いやりに欠けた言動行動の先に何が起こり得るのか、想像力を持って生きなければとつくづく思います。

三浦さんが純に放った「想像したい」という言葉は世界を照らしてくれる気がします。

もう一度言わせてください。本当に素晴らしい映画でした。

林遣都


簡単に概要を書いてしまうと、男性同士の恋愛が好きな女の子が、男性のことが好きな男の子に恋をするお話です。本当はこんなひとフレーズじゃ伝えきれないけれど。


何もかもが異なる2人がわかり合おうと、努力していく。その姿がとても印象に残りました。


純は、家族が欲しいと言います。結婚して、子供を授かって、幸せな家庭を築いて。そんな普通ができない自分が嫌いだと、そう言います。


普通ってなんなのでしょう。

そんな曖昧な定義で、縛られて。

今、少しずつ、世の中は変わってきていると思います。それでも、まだまだ自分と違うものを受け入れるのは難しい。


個人的に、人間の頭と身体と、心は繋がっているようで別々なのではないかと思うときがあります。頭ではわかっていても、心がそれを受け入れられない。心が忘れてしまっても、身体が覚えている。みなさんには、そんな経験がありますか?


同性愛とか異性愛とか、本当はそんな言葉があることがおかしいと思います。

人を好きになる気持ちに性別は関係ないと、それが当たり前の世の中であればいいのに、と願います。


だけど、わたしは当事者ではありません。やっぱりどこか、他人事なのかもしれません。彼ら、彼女らには計り知れない気持ちがあるので、簡単に理解したような口を利きたくありません。


だから本当は、こんな文章を書くのも躊躇われました。それでも、投稿しようと思ったのは、ラストのシーンがあまりにも美しく切なかったからです。


とある事件で、純は学校を去ることになります。その前に三浦さんと最後のお出かけをします。バス停でバスを待つ間、純は自分に寄りかかる三浦さんに、初恋は自分か?と聞きます。三浦さんは笑いながら違う、と答えます。穏やかに最後の時間は過ぎていきます。

時は経ち、学校に飾られた、三浦さんの描いた美しい絵のタイトルが『初恋』とわかり、物語が終了します。


そこにたどり着くまでの色々なことが一瞬ですべて、頭に並べられて、涙を止めることができませんでした。

そこにあったのは、確かに大好きな人を描いた、女の子でした。


それと、純の親友の亮平くんも素晴らしかった。ただまっすぐに純を大切に想う気持ちが痛いほど伝わってきて、純もきっと救われたんじゃないかと思います。

2人が歩いてきた思い出は、ほんの少しの価値観の違いでは揺るがないよと、希望を持たせてもらいました。


うーん、本当にいい映画だったな。

なかなか人に勧めづらいテーマではあるけど、わたしの記憶には確かに残る素晴らしい映画でした。

この映画に携わったすべての方々に感謝をいたします。素敵な作品をありがとうございました。